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TRIZは「BEVで決まり」と語るか

さて、TRIZの視点でもインフラ普及/負担の視点でも、水素はないと断じてしまいましたが、BEV(Battery Electric Vehicle)はどうでしょうか。

自分はクルマ好き/ドライブ好きを自認していましたが、最近は健康のために電動アシスト自転車に乗ったり、歩いたりしますので、クルマに乗る機会はすごく減ってしまいました。こうなると、ガソリン/ハイブリッド車でも補機バッテリーの上がりが常に心配ですし、もし、PHEVに買い替えて「普段はBEVとして使い、たまの遠出の時にはHVとしてガソリンを使う」と考えても「タンク内のガソリンが劣化するので1年間で最低20Lくらいはガソリンを消費してください」というPHEVの不便さに引っ掛かります。

つまり、近距離だけと割り切れば、もはや自分にはBEVの方が便利なのですが、たまに遠出したいというのは自動車という道具の本質的な嬉しさですし、子供さんが小さい場合、家族で帰省する時などクルマはとても便利なものです。今のBEVと急速充電環境では、この様な使い方は全く現実的ではありません。

これはエネルギ媒体を変えるべきかという話なので、水素同様、TRIZの進化のトレンドの下記の項目に関わりがありそうです。
1.エネルギー変換段階の数の削減
2.より制御が容易なエネルギー形態の増加

e-fuelという技術が研究されています。これはいわゆる合成燃料で、水素と、大気中や工場で回収したCO2から燃料を作ります。水素を使いますしエネルギー変換段階の数は少なくないのですが、水素生成には再生可能エネルギーの電力を使い、カーボンは化石燃料ではなく大気中などにすでに存在するCO2を使うとすれば、カーボンニュートラルが実現できることになります。クルマの中でCO2を回収するのは難しく、一旦大気に放出されてしまったCO2を回収するダイレクトエアキャプチャという技術の進化を待たなければなりません。

クルマの中では、e-fuelで単純にエンジンを回すこともできますし、触媒を使ってH2に改質しFC(燃料電池)で発電することもできそうです。何か面倒くさいですが、e-fuelという媒体を使うことで、水素の扱いにくさ、危険、インフラコストを回避できるということです。e-fuelであれば、水素ステーションの様に普及の障害がなく、ガソリンスタンドの油種を増やすくらいで済みます。

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つまり、e-fuelで走るPHEVやFC、レンジエクステンダー付きBEVには大いに期待できるのではないか、ということです。でも、時間がありませんね!BEVの進化、急速充電環境の整備などにより、(遠出も含めて)一気にBEVになってしまうかもしれません。



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